【4月15日 AFP】米大統領選への出馬を表明したヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官(67)は14日、農業地帯の小さな町米アイオワ(Iowa)州ルクレア(Le Claire)で選挙戦のスタートを切った。

 過去30年にわたり、ファーストレディー、上院議員、そして国務長官として公の場に立ち続けてきたクリントン氏は今回の選挙戦で有権者に対し、地に足の着いた、庶民の切なる願いの擁護者というイメージを強調していきたい考え。

 クリントン氏はニューヨーク(New York)から約1600キロも車で移動して、党指名候補を決める予備選挙の投票が最初に行われる米中西部アイオワ州の人口約4000人の小さな町ルクレアに入った。

 米国の外交トップの国務長官として世界を股に掛けていたクリントン氏だが、この日はミシシッピ(Mississippi)川が流れるルクレアに半年前に開店したばかりという喫茶店で地元住民らと共に過ごした。同氏が出馬表明の動画で語った、「普通の人々」の希望と夢の支援者というイメージを象徴する演出だ。

「みなさん、こんにちは。私たちとこの人たちを迎えて下さってありがとうございます。素敵なところですね」と店主らにあいさつしたクリントン氏は、同行記者団に声が届かない場所に座って住民とのおしゃべりを始めた。

 ただ同席したのはたまたま居合わせた客ではなく、招かれた人々だった。家族計画連盟(Planned Parenthood)のボランティアだという若い母親、近隣都市の大学生、そしてある大学の民主党組織の代表という3人だった。

 この会合は、本拠地のニューヨーク・ブルックリン(Brooklyn)からペンシルベニア(Pennsylvania)州、オハイオ(Ohio)州の寂れた工業地帯を通って2日かけてアイオワ州に至ったこの旅と同じく、「一般の有権者と触れ合うヒラリー」を演出する意図で行われたものだった。(c)AFP/Jérôme CARTILLIER