■率直で実りある会談

 オバマ大統領は記者団に対し「率直で実りある」会談だったと述べ、民主化と人権の面で米政府が持っている懸念もカストロ議長に伝えたと明らかにした。

 米・キューバの両首脳は国交回復までになすべき作業は残っていると認めている。ある米政府高官は両国間に意見の相違はあるものの首脳会談の場に「緊張はなかった」と述べた。この高官によると、オバマ大統領とカストロ議長は大使館の再開に向けた交渉について話し合い、残っている問題について速やかに非公式協議で話し合うようそれぞれの代表団に指示したという。

 カストロ議長は米国の禁輸措置の解除を望んでいると述べた。禁輸措置によって両国間の貿易や米国からキューバへの観光客の流れはほとんど止まっており、オバマ大統領は米議会に禁輸措置の解除を働き掛けている。また上述の米高官によると、オバマ大統領はカストロ議長に、キューバ側の主な要求の一つである米国の「テロ支援国家リスト」からのキューバを外すことを勧告するかどうか「近日中に」決めると述べたという。(c)AFP/Laurent THOMET/Andrew BEATTY