【4月12日 AFP】(一部更新)米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とキューバのラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長は11日、米州首脳会議(Summit of the Americas)が開かれた中米のパナマで初の首脳会談を行った。

 米国とキューバの首脳が直接会談したのは1956年以来。両国の国交回復を目指す両首脳の歴史的な努力の中で、冷戦(Cold War)時代から数十年続いた両国の対立は和らいでいる。

 両首脳がよく磨かれた木の椅子に座るとオバマ大統領が先に口を開き、「これは明らかに歴史的な会談だ」と述べた。オバマ大統領は1961年の断交以降閉鎖されている両国の大使館の再開が緊急の課題だと述べた。

 オバマ大統領が発言を終えると両首脳は立ち上がって握手した。カストロ議長は、オバマ大統領が言ったことに全て同意すると述べ、両国政府にはまだ意見の相違が存在するが互いに「相手側の意見に対する敬意」も持っていると語り、「われわれはあらゆることを議論する用意があるが、かなりの忍耐が必要だ」と指摘した。

 さらにカストロ議長が米国とキューバの交渉団がそれぞれの国の首脳の指示に耳を傾けてくれればよいのだが、と話すとオバマ大統領は笑った。両首脳は再び握手すると報道陣は退去を求められ、そこから先の会談は非公開で行われた。

 会談に先立ち、オバマ大統領とカストロ議長は米州首脳会議に出席した30人ほどの国の首脳と共に楕円形のテーブルを囲み、融和的なスピーチを行っていた。

 米・キューバ間の緊張は米政府と米州地域との関係にも影を落としてきたが、オバマ大統領は米州首脳会議で「米国の政策変更は地域全体にとっても転換点になる」と述べた。カストロ議長は「オバマ大統領は正直な人間だ」と述べた。

 コロンビアのフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領はこの雰囲気をまとめて、「南米と北米の間にあった古い障害は取り除かれた」と述べた。