【4月7日 AFP】パキスタン北西部カイバル・パシュトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州スワビ(Swabi)地区で6日未明、武装した男らがトランスジェンダー(性別越境者)らのグループを襲い、2人を殺害した上に1人を集団レイプする事件が起きた。地元警察が明らかにした。

 トランスジェンダーのグループは当時、結婚式での音楽や踊りのパフォーマンスを終えて帰宅する途中だった。

 地元警察関係者によると、武装した男らは広場で被害者らを待ち伏せし、当初はグループの全員を連れ去ろうとしたが、抵抗されたため発砲。トランスジェンダー1人とドラム奏者1人が現場で死亡し、1人が負傷した。男らはその後、トランスジェンダー1人を連れ去った。

 数時間後に解放された被害者は警察に対し、4人から集団レイプされたと話したという。警察はその後、複数の場所で強制捜査を実施し、殺人と集団レイプの容疑で6人を逮捕した。

 別の地元警察関係者もAFPの取材に対し、事件があったことを認めた。逮捕された6人はトランスジェンダーの人々を好み、今回被害に遭ったグループの演奏や踊りを頻繁に鑑賞していたという。

 パキスタンでは、トランスジェンダーの人々は結婚式などの祝賀行事に踊り子や演奏家として呼ばれることが多い。だが一方で、性的な対象として扱われ、暴行の被害者となることも多い。(c)AFP