【4月2日 AFP】タイの軍事政権は1日、昨年5月に発令された戒厳令を解除した。だが同時に、軍に戒厳令下と同じ多くの権限を認める命令を出したことから、軍が政権の掌握を強めていると懸念する声が上がっている。

 新たな特別治安措置は暫定憲法44条に基づいたもので、5人以上の政治集会は引き続き違法とされ、軍は治安維持に反したり、王室の侮辱を厳しく禁じた法律に抵触したりした市民を逮捕・勾留・訴追することができる。また、報道も検閲対象とされる。

 この暫定憲法44条に対しては、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)暫定首相に戒厳令よりもさらに広範な権限を与えるものだとの批判が出ている。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)のスナイ・パスク(Sunai Phasuk)氏は「戒厳令解除に騙されてはいけない。暫定憲法44条の発動は、タイの独裁体制を強化するものだ」と指摘。これによりプラユット暫定首相が「究極の権力を手にした独裁者となる」と述べた。(c)AFP