【4月1日 AFP】5月7日に実施される総選挙に向けて本格的な選挙戦が始まった英国で、英国独立党(UK Independence PartyUKIP)は3月31日、イスラエルはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領を「拉致」すべきだと交流サイトのフェイスブック(Facebook)に投稿した候補を別の候補に変更した。

 フェイスブックのページの保存画像によると、ロンドン北部ヘンドン(Hendon)選挙区から出馬する予定だったジェレミー・ゼイド(Jeremy Zeid)氏は先週、イスラエルが秘密裏に進めていた核開発計画に関する文書の機密指定解除・公開を受け「オバマ大統領の退任後、イスラエルはやつの引き渡しを要求するか、国家機密を漏えいさせた罪で『アイヒマンのように』投獄すべきだ」「アイヒマンと同じように、あの野郎を捕まえて連行するんだ」などとコメントを書き込んだ。

 ナチス・ドイツの戦犯であるアドルフ・アイヒマン(Adolf Eichmann)は、1960年にアルゼンチンで身柄を拘束され、イスラエルで裁判にかけられた。

 反移民と欧州連合(EU)離脱を掲げることで知られるUKIPは、党員らによる失言によって度々、痛手を受けている。これまでにも同党では不適切な発言が原因で候補が出馬を取りやめた例がある。

 ゼイド氏は英夕刊紙イブニング・スタンダード(Evening Standard)への談話で、自らの発言について弁明しつつ、出馬中止はフェイスブックへの投稿とは無関係だと主張し「立候補をやめたのは、非難をかわさなければならないことに嫌気が差したからだ。自分の健康のことを考えなくてはならない。オバマ氏に関する発言を訂正する考えは全くない」と語った。(c)AFP