【3月31日 AFP】残留農薬レベルの高い果物や野菜の摂取と精液の質低下に関連性があるとした研究論文が、31日の英学術誌「ヒューマン・リプロダクション(Human Reproduction)」に掲載された。ただし、研究はまだ初期段階であり、さらなる調査が必要だとチームは指摘している。

 研究は米チームによるもので、2007~12年にかけて不妊治療施設を訪れた、18~55歳の男性155人から採取した計338の精液サンプルを分析した。果物や野菜の摂取頻度や量などに関する質問票に記入してもらい、その結果を米農務省(US Department of Agriculture)のデータに基づいて、回答者が摂取した残留農薬レベルを「低」「中」「高」に区分した。区分にあたっては、食べる前に皮をむいたかや洗ったかが考慮に入れられた。

 結果は、残留農薬が高レベルの果物・野菜を大量に摂取していた男性は低レベルの男性よりも精子の数が49%少なかった。さらに摂取残留農薬が低レベルのグループの精子正常形態率は7.5%だったのに対し、高レベルのグループでは3割ほど低い5.1%だった。

 摂取残留農薬が「低」と「中」のグループ比較では、主だった違いはみられなかった。(c)AFP