【3月31日 AFP】スペイン・バルセロナ(Barcelona)のバルデブロン大学病院(Vall d'Hebron University Hospital)は30日、病気によって顔面が激しく変形した男性(45)の顔の下部から頸部、口、舌、咽頭をすべて再構築するという、世界で過去に行われた中でも最も困難な顔面移植手術に成功したと発表した。

 病院の声明によると、男性は動静脈奇形のために20年前から体の著しい変形に苦しみ、視力や会話などに支障がでていたうえ、大量出血の恐れもあり、放置すれば生命に危険が及ぶ状態だった。男性は米国のハーバード大学医学部(Harvard Medical School)やメイヨークリニック(Mayo Clinic)なども受診し、手術は不可能と診断されたが、バルデブロン大学病院は手術が唯一の治療法だとの結論を下した。

 2月上旬に行われた手術では、医師、看護師、麻酔専門医ら計45人の医療チームが、咽頭を含め男性の顔面下部の3分の2を再構築する顔面移植手術を27時間かけ実施した。病院側は、「これほど複雑な顔面移植手術は世界初」としている。(c)AFP