■言葉の壁

 昨年12月にモンテ・サルバド(Monte Salvado)村とプエルト・ヌエボ(Puerto Nuevo)村がマシコ・ピロに襲撃された事件について、マドレデディオス先住民連盟(FENAMAD)は、違法伐採業者と麻薬密輸業者がマシコ・ピロの居住地を侵害したがゆえの「自暴自棄の行動」だったと主張。自然保護区への観光ツアーも批判した。

 ペルー政府は、外界との接触を長年固く避けてきたマシコ・ピロが、なぜ今になって森の外へ積極的に出てくるようになったのか、理解しようと努めている。

「違法伐採業者から攻撃されて居住地を去ろうとしているのかもしれないし、別の先住民が保護区周辺に定住し始めているからかもしれない」と語るプリエト室長によると、政府としては「保護区を離れようとしている理由を知り、病人やけが人がいるなら手助けをしたいと考えている」という。

 だが、問題は、マシコ・ピロの言語を理解できる人がいない点だ。ペルー政府は、マシコ・ピロの言葉を多少は理解できるという先住民イネ(Yine)の人々の中に通訳を引き受けられる人がいないかどうか、また隣国ブラジルに住むマシコ・ピロの中に他の言語を話せる人がいないか、探している。

 とはいえ、政府にはマシコ・ピロの人々に対して外界との接触を強制する意図はないとプリエト室長は強調し、次のように述べた。「孤立先住民の権利は国連(UN)によって保障されており、その中には、孤立したまま暮らす権利も含まれる。国は、それを尊重し、保護しなければならない」 (c)AFP/Roberto CORTIJO