【3月30日 AFP】乗客乗員150人が死亡したドイツ格安航空会社ジャーマンウイングス(Germanwings)9525便の墜落で、仏検察当局は29日、仏アルプス(French Alps)の墜落現場から78人分のDNAを採取したと発表した。

 捜索隊は、遺体の身元確認や遺族への引き渡しの準備を進めるとともに、捜索6日目に入ってもまだ発見されていない第2の「ブラックボックス」であるフライトレコーダー(飛行記録装置)の捜索を続けている。

 同便は時速700キロで山腹に激突したとされており、警察の犯罪研究所幹部パトリック・トゥロン(Patrick Touron)氏は「無傷の遺体は全くない」としている。現場は40~60度の急斜面で、落石の危険もあり、捜索活動の難易度は「前例のない」ものとなっているという。

 現場近くの町では、法医学者、歯科医、警察の身元確認専門家らからなる50人強のチームが、現場で見つかった「400~600個」の遺体断片の確認作業を進めているという。

 トゥロン氏は「大事故では通常、身元確認の90%が歯科記録によって行われる」が、今回の場合はDNAがより大きな役割を担うことになるだろうと語った。

 採取されたDNAサンプルはパリ(Paris)郊外にある別の検査室に送られ、遺族から採取されるサンプルとの比較が今週行われる。(c)AFP