【3月24日 AFP】米下院は23日、ロシアの「侵略」からウクライナが自衛するために同国へ殺傷兵器を供与することをバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に促す決議案を圧倒的多数で可決した。

 ウクライナ東部の親ロシア派とウクライナ軍の停戦合意が破られているとの報道を受け、米オバマ政権は今月、ウクライナに対し、総額7500万ドル(約90億円)相当の殺傷能力のない装備の支援を行う方針を発表した。23日の決議はさらに殺傷兵器の供与を米政権に働きかけるもので、賛成348、反対48と超党派の広い支持を得て可決された。

 ジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長(共和党)は決議の後、下院はウクライナへのさらなる軍事支援を広く支持していると述べ「米政権が行動しなければ、ロシアは野放しのまま侵略を続ける」と語った。

 また決議案の提出で中心的役割を果たしたエリオット・エンゲル(Eliot Engel)議員は、ウクライナ危機は冷戦後の欧州の安定を脅かしており、「どこか遠い場所の紛争」として扱うことを今こそ止めるべきだと語り、さらにロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が「我々を冷戦時代の嫌な日々へ追い戻そうとしている」と非難した。(c)AFP