【3月23日 AFP】イエメンのイスラム教シーア派(Shiite)の民兵組織「フーシ(Huthis)」は22日、同国南部の要衝タイズ(Taez)の空港を掌握した。

 同国ではここ数か月の間で、フーシが首都サヌア(Sanaa)を掌握し、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansur Hadi)大統領が南部の主要都市アデン(Aden)に逃れるなど、政情混乱が続いている。今月20日には、サヌアでイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」による連続自爆攻撃が起き、142人が死亡した。

 フーシの指導者アブドゥルマリク・フーシ(Abdulmalik al-Huthi)氏はテレビ放映で「イエメンの偉大な国民」に対し、南部でISなどのイスラム過激派に対する戦闘に加わるよう呼び掛けるとともに、ハディ大統領を「米国に導かれた悪魔の勢力の操り人形」と批判。国連(UN)が仲介している、イエメンの各対立勢力による対話への参加拒否も辞さない構えを見せた。

 イエメンでは、イランからの支援を受けているとされるフーシが支配する北部と、ハディ大統領の支持勢力が支配する南部との分断が深刻化している。フーシが空港を掌握したタイズは、アデンの北180キロ、同市とサヌアとの中間に位置し、ハディ大統領が逃れたアデンへの戦略的入り口とされている。(c)AFP/ Hammoud Mounassar