【3月19日 AFP】イタリア・セリエAのパルマ(Parma FC)が経営難で破産の危機に陥っている問題で18日、クラブの会長を務めるジャンピエトロ・マネンティ(Giampietro Manenti)氏ほか21人が、マネーロンダリング(資金洗浄)など複数の容疑で逮捕された。

 クラブの倒産、そしてリーグからの除外が決定する可能性の高い裁判所の審理を翌日に控えたこの日、会長が逮捕されるという新たな展開があった。

 45歳のマネンティ氏は2月、ここ最近で3人目の会長として現職に就き、クラブの巨額の負債を清算すると約束していた。

 警察は現在、マネンティ氏の目的は犯罪行為で得た金銭を洗浄する道具として、クラブを使うことにあったとみている。マネンティ氏は、汚れた現金をスポンサー収入やチケットの売り上げだと偽っていたとみられる。

 マネンティ氏ら18日に逮捕された面々には、マネーロンダリングのほかにも、組織犯罪、コンピューター詐欺、業務上横領などの疑いがかかっており、マフィアの手口を使用した可能性も取りざたされている。

 クラブはすでに、選手への給与を期日までに支払えなかったため、リーグ戦の勝ち点を合計3ポイントはく奪されている。

 そして、前会長のトンマーゾ・ギラルディ(Tommaso Ghirardi)氏と、現取締役のピエトロ・レオナルディ(Pietro Leonardi)氏に対しては、リーグの規律委員会から4か月の活動禁止処分が言い渡されている。

 クラブが事実上の破産状態にあることはほぼ間違いないが、パルマのシーズン完遂を援助するため、リーグ側が500万ユーロ(約6億円)の貸し出しを投票で決定したことにより、クラブはひとまず命をつないでいた。

 それでも、裁判所がこの額で十分とみなすかは不透明だ。クラブの口座の状況は、確認の取れた3月13日時点で、純負債が5600万ユーロ(約73億円)。しかしパルマ市長によれば、7か月分の未払いの給与などを含めた負債の総額は、2億ユーロ(約260億円)にも及ぶという。

 パルマの今シーズンのリーグ戦からの除外が決まれば、これまでのパルマ戦の結果はそのまま、今後の試合は3-0で対戦相手の勝利となる。(c)AFP