【3月18日 AFP】飲み物をオーダーすると人種問題について語れる──米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)がトップの呼び掛けで、米国内の店舗でコーヒーをいれるバリスタたちに顧客と人種問題について語るよう奨励する取り組みを始めた。しかし一部からは批判の声も上がっている。

「レース・トゥゲザー(Race Together)」と題するキャンペーンは、ハワード・シュルツ(Howard Schultz)最高経営責任者(CEO)の発案によるもの。米国は人種問題にまつわる「感受性と理解について、新たな水準を必要としている」と考えたという。

 同社ウェブサイトの動画でシュルツCEOは、ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)にある本社で社員らと人種問題について議論した後に思いついたと述べている。米国では、武装していない黒人が白人警官に殺される事件が頻発し、各地で人種差別に対する抗議運動が展開されていた。

 スターバックスのキャンペーンでは、各店舗でバリスタが顧客に飲み物を手渡す際、カップに「Race Together」と書きこみ、人種問題について語り合うよう推奨されている。同社ではこのキャンペーンを新聞広告などでも告知する計画だ。

 しかしキャンペーンが発表されると一部からは、人種に関する議論を始めるのに、高価なコーヒーを提供する店が最もふさわしい場所なのかどうか、といった疑問の声が上がった。黒人の若者たちによる権利団体「ブラック・ユース・プロジェクト(Black Youth Project)」のウェブサイトには「スターバックスのバリスタたちは、ラテを作りながら、反人種主義に関する啓もう家の役目を果たすだけの給料を十分もらっているんだろうか?」と皮肉が投稿された。(c)AFP