【3月18日 AFP】(一部更新、写真追加)先週末に過去最大規模のサイクロン「パム(Pam)」に見舞われたバヌアツでは大規模な被害状況が明らかになり始め、同国政府は17日、同国は深刻な食料不足に直面しつつあると訴えた。

 救助隊の第一陣が首都ポートビラ(Port Vila)から南へ約200キロ離れたタンナ島(Tanna Island)に到着。これにより、被害の規模が少しずつ明らかになってきた。

 ポートビラも大きな被害を受けているが、世界各地で人道支援活動を行う非政府組織(NGO)、国際ケア機構(CARE International)オーストラリア支部のトム・ペリー(Tom Perry)氏はAFPの取材に対し、「(救助隊の第一陣が)視察の第1段階で受けた印象としては、(タンナ島は)ポートビラよりも甚大な被害を受けているようだ」と明かしている。ペリー氏によると、病院は機能しているものの、屋根がないという。

 ペリー氏は、タンナ島では少なくとも5人が死亡したと明らかにするとともに、国際ケア機構としては現地の食料が底をつきつつあることを非常に懸念していると述べた。

 ポートビラから南へ2キロの村に住む女性は「もう残り物しかない」と話し、次の食事の時間に食べるものをどこで見つければいいのか心配し始めたところだと語った。

 オーストラリアのジュリー・ビショップ(Julie Bishop)外相も豪軍による予備調査によって「南部諸島での被害の大きさを確認した」として、「特にタンナ島では顕著で、家屋や建物の8割以上が一部損壊または全壊しているもようだ」と発表。さらに「建物が破壊されただけではなく、ヤシのプランテーションや木々も被害を受けた。とても悲惨な光景だ」と述べた。