【3月16日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は15日に放映された国営放送のテレビ番組で、昨年2月にウクライナの親ロシア派政権が崩壊した後、ロシアにクリミア(Crimea)半島を編入しようとした際に核兵器の準備していたことを明らかにした。

 クリミア半島を一方的に編入してまもなく1年となるのを前に放映された3時間近いドキュメンタリー番組で、プーチン大統領が歴史的にロシアの一部だと主張するクリミアで、ロシア語を話す住民を保護するためにどんなことでもする用意があったことが示された。

「祖国への帰路」と題されたこのドキュメンタリーは、プーチン大統領へのインタビューを中心にクリミア半島の編入過程に焦点を当てており、プーチン氏は自らを、ウクライナで政権を掌握した「民族主義者」との戦争を回避するために精鋭部隊の派遣を余儀なくされた、「救世主」として描いている。

 欧米が不法占領だと非難するクリミア半島の編入に、プーチン大統領は徐々に関与を深めていった。クリミア編入を阻止するために欧米側が軍事介入を行う可能性を念頭に、同大統領は「最悪の展開」に対処する用意があったと述べた。ロシアに核戦力を臨戦態勢に置く用意があったかと聞かれ「そうする用意があった」と答えた。(c)AFP/Fran BLANDY