【3月15日 AFP】英国の非政府組織(NGO)、シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は14日、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領のいとこの息子が殺害されたと明らかにした。

 密輸に関与していたことでも知られるモハメド・アサド(Mohamed al-Assad)氏は13日、アサド家が属するイスラム教のアラウィ(Alawite)派の中心地、シリアのラタキア(Latakia)県で射殺された。

 シリア人権監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに対し、「モハメド氏はラタキア県カルダハ(Qardaha)村で頭部に銃弾5発を受けて死亡した」と語るとともに、実行犯の身元は特定されていないと述べた。カルダハ村はアサド家が代々暮らしてきた村で、村での影響力をめぐる争いが事件の原因とみられている。

 モハメド・アサド氏は1980年代に作られた政権側の民兵組織「シャビハ(Shabiha)」の創設者の一人。アサド政権は反体制派の封じ込めにシャビハを利用してきた。1989~94年にシャビハ内部での地位を利用して富を蓄えたモハメド氏はカルダハ地域で事業を始め、同地域におけるアサド一族の有力者と目されてきた。(c)AFP