【3月13日 AFP】昨年夏に白人警察官が黒人青年を射殺したことをきっかけに数か月間抗議デモが続き、人種間の緊張が高まっていた米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で12日、再び警察官2人が銃撃されたことにより、同市は改めて一触即発の事態に直面している。

 撃たれた警察官のうち1人は顔を撃たれていた。銃撃犯の行方を追っていた警察特殊部隊(Special Weapons and TacticsSWAT)は、現場から約4ブロック離れた場所にあるれんが造りの平屋を家宅捜索。近隣住民らの話では、手錠をかけられた女1人を含む3人が連行されたという。

 今回の銃撃事件は、住民の大半を黒人が占めるファーガソンに平穏を取り戻そうという努力に水を差しかねない行為。バラク・オバマ(Barack Obama)大統領とエリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官は直ちに、この「待ち伏せ攻撃」を強く非難した。

 2014年8月にファーガソンで白人警察官が丸腰だった10代の黒人青年を射殺した事件を受けて同市では暴動が発生し、全米各地に抗議行動の波が広がった。

 ホルダー長官率いる米司法省は前週になって、捜査を通じて、ファーガソンでは市当局と白人警官の割合が圧倒的に高い警察の組織全体に根強い人種差別が広がっている証拠を見つけたと発表していた。

 同市の幹部は改革を約束し、うち数人がすでに辞任した。しかし今回、警察官が撃たれる事件が発生したことで、自治体関係者らは同市を分断している苦い対立がさらに深まる恐れがあると懸念を表明している。(c)AFP/Michael B Thomas