【3月8日 AFP】インターネット上で公開され、再生回数が1億5000万回を超える大ヒットとなった中国の深刻な大気汚染問題を告発するドキュメンタリー映画が、公開からわずか数日で閲覧できない状態となっている。

 国営中国中央テレビ(CCTV)のニュースキャスターだった柴静(Chai Jing)氏が自主制作した「穹頂之下(Under the Dome)」は7日午後の時点で、「優酷(Youku)」、「愛奇芸(iQiyi)」など国内の主要な動画サイトのいずれでも視聴不可となっていた。

 中国版の『不都合な真実(An Inconvenient Truth)』として称賛する人もいる全編103分のこの映画は、動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)では現在も再生が可能。ただ、中国ではユーチューブ自体が遮断されている。

 先月28日にインターネット上に公開されてからわずか1日で中国本土での再生回数が1億5500万回を超えたこの映画が遮断されたことは、大気汚染問題に関する国民の声に中国共産党が敏感になっていることを改めて示すものだ。

 また、中国当局はこの動画を国営の出版物や放送メディアに積極的に取り上げさせる方針をわずか数日前に示したばかりだったが、その方針が突然変わったことも意味している。(c)AFP/Felicia SONMEZ