【3月6日 AFP】米ニューヨーク(New York)のラガーディア空港(La Guardia Airport)で5日、着陸したデルタ航空(Delta Air Lines)の旅客機が滑走路をはみ出し、すぐ横を流れる凍りつきそうな川までわずか数メートルというところで停止した。米国はこの日、テキサス(Texas)州からマサチューセッツ(Massachusetts)州にかけて激しい冬の嵐に見舞われていた。

 アトランタ(Atlanta)発のデルタ航空1086便は着陸した際、滑走路を外れて脇の土手に乗り上げ、フェンスを壊して停止した。

 デルタ航空によると、事故を起こしたマクドネル・ダグラス(McDonnell Douglas)のMD88型機には乗客125人と乗員6人が搭乗していた。全員非常用の滑り台を使って機体から降り、バスでターミナルに向かったという。消防当局によると24人が負傷し、うち3人が事故現場から搬送されたが、いずれも命に別条はない。

 現場の映像には、乗客らが翼の上にある非常口から出て、厚く積もった雪の上に足をとられながら歩いている様子が映っていた。機首はフェンスを破り、冷たいイーストリバー(East River)の上に機体を突き出すような格好で停止していた。

 米国ではこの日、激しい冬の嵐に見舞われたため数千便のフライトが欠航となり、広い地域で日常生活に支障を来した。中でも同機の事故は最大規模の被害となった。

 冷たい雨が大雪に変わった首都ワシントン(Washington D.C.)では、政府職員らが自宅待機を命じられた他、学校は休校、博物館も休館とされた。

 ニューヨークに加え、ボルティモア(Baltimore)やフィラデルフィア(Philadelphia)でもおよそ20センチの積雪が見込まれている。また冷え込みも厳しく、これらの地域の多くの場所でこの時期の平均気温を大きく下回っている。

 空の便は大きく乱れ、5日午後までに4300便以上が欠航した。今後も欠航や遅延が予想されている。(c)AFP/Mariano Andrade