【3月5日 AFP】米国がゾンビに襲来された場合は、都市部の住民よりもロッキー山脈(Rocky Mountains)に住んでいる人のほうが生き残れるチャンスが大きい――こんな研究結果を、米コーネル大学(Cornell University)のチームが4日、発表した。

「逃げることも隠れることもできる:ゾンビの疫学と統計学的構造(You Can Run, You Can Hide: The Epidemiology and Statistical Mechanics of Zombies)」と題された研究は、テキサス(Texas)州サンアントニオ(San Antonio)で開催中の米国物理学協会(American Physical Society)の会合で発表された。

 研究では、実際の伝染病の拡大を予測するために用いられる方法をまねて、アラスカ(Alaska)州とハワイ(Hawaii)州を除いた48州におけるゾンビの拡散について確率的要素が推測された。研究チームは「ゾンビ発生時における広域的かつ正確な確率的動的シミュレーション」だと説明している。それによると、ゾンビが発生した場合、都市部は瞬く間に壊滅するが、地方部に影響が広がるのには数週間かかり、ロッキー山脈に到達するのは数か月後になるという。

 研究を行った理論物理学専攻の大学院生4人によれば、大衆文化ではゾンビは同時に全域に広がるとされるのが一般的。だが、シミュレーションでは人口が密集した米東海岸と西海岸の都市部がまずゾンビの群れに屈し、その後4週間で米本土の大半がのみ込まれる。さらに辺境な地域にゾンビが襲来するまでには「とても長い時間」がかかり「4か月後になっても、モンタナ(Montana)州とネバダ(Nevada)州には1匹もゾンビはいないだろう」と予想している。

 ただし、このシミュレーションではゾンビ発生時に米軍が出動することは想定していない。

 米国では昨年、国防総省が対ゾンビ戦闘の青写真を作成し、戦略計画立案のための訓練に使用していたことが明らかになった。また、米疾病対策センター(CDC)は公式ウェブサイトに「Preparedness 101: Zombie Apocalypse(ゾンビ襲来への備え、初級編)」と題した防災対策アドバイスを掲載している。(c)AFP