【3月2日 AFP】中国国営の新華社(Xinhua)通信は、英語での情報発信を刷新し、マイクロブログのツイッター(Twitter)、交流サイトのフェイスブック(Facebook)、動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)にこれまで計30個あった英語アカウントを、社名の英語訳に当たる「New China(NC)」の名で統合したと発表した。

 中国国内ではツイッターもフェイスブックもユーチューブも検閲によって閲覧規制の対象となっているが、多くの中国企業・機関はこれらの欧米生まれのソーシャルメディアを積極的に活用しており、新華社もその例に漏れない。ただ、今年1月まで同社の公式アカウントは3つのソーシャルメディアに30個も作られ、個別に運用されていた。

 新華社は「最も影響力の強い公式アカウントは、ツイッターとフェイスブックだ。ツイッターには130万人、フェイスブックには74万人の利用者がいる」と述べるとともに、「これらのアカウントは中国と海外との理解促進に役立っている」と評価した。

 一方で、アカウントが分散していたことにより、他の国際メディアに対抗して存在感を十分高めることができなかったことを認めた。アカウントの統合について、新華社は「グローバル・ソーシャルメディアにおける新華社の存在感が新たな局面に入ったしるし」だと述べている。

 中国のネット人口は世界最大だが、6億4800万人いる国内ネットユーザーたちは新華社の「New China」アカウントへの直接アクセスはできない。中国では「万里のファイアウオール(Great Firewall of China)」の通称で呼ばれる当局の検閲システムにより、ツイッターとフェイスブック、ユーチューブは閲覧が遮断されているためだ。しかし、新華社はこの点については触れていない。(c)AFP