【3月2日 AFP】「ジハーディ(聖戦士)・ジョン(Jihadi John)」の通称を持つイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の「処刑人」として英米メディアにより特定されたモハメド・エムワジ(Mohammed Emwazi)容疑者(26)は、物静かな面と激しさを併せ持つ若者だったが、次第に戦闘への興味を募らせていったと言われている。

 英メディアの報道によると、エムワジ容疑者を知る人々は、自分たちが覚えているサッカー好きな青年の姿は、元人質の一人が記憶しているような「冷血かつ残虐で無慈悲な」殺人者の印象とはそぐわないものだと語っている。

 クウェート生まれのエムワジ容疑者は、6歳の時に一家で英ロンドン(London)に移住し、ロンドン西部の緑豊かな中産階級地区ノース・ケンジントン(North Kensington)で育った。この地域では近年、イスラム過激主義者たちのネットワークが摘発されている。

 英大衆紙サン(Sun)が掲載した1996年度の学校アルバムの内容によると、幼少時代のエムワジ容疑者は、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)が好きなサッカーファンで「大きくなったらサッカー選手になりたい」と書いていた。

 その後、情報技術を学ぶために英ウエストミンスター大学(University of Westminster)に進学し、情報システムと事業経営の学位を取得したとされる。報道によると、この大学の同級生の中には、学内にイスラム原理主義組織「ヒズブット・タフリール(Hizb ut-Tahrir)」とつながる学生が仕切るグループがあったことを覚えている者もいる。