【2月28日 AFP】(一部更新)ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒に立っていたロシアの野党指導者、ボリス・ネムツォフ(Boris Nemtsov)元第1副首相(55)が27日夜、モスクワ(Moscow)中心部で何者かに撃たれて死亡した。露内務省の報道官が28日早朝、AFPに明らかにした。

 ロシア連邦捜査委員会などによると、モスクワ市内の橋の上を歩いていたネムツォフ氏に向けて何者かが車の中から7~8発の銃弾を発射し同氏を射殺した。所持していた書類から殺害されたのはネムツォフ氏であることが確認された。

 3月1日にはネムツォフ氏らが主導する大規模な反政権集会が予定されていた。

 露ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)州知事として政治家のキャリアをスタートしたネムツォフ氏は1990年代後半にボリス・エリツィン(Boris Yeltsin)政権で第1副首相を務めた。2003年以降はいくつかの野党や政治グループの創設に参加し、これらの団体を率いた。

 内務省関係者が報道陣に語ったところによると、射殺された時、ネムツォフ氏はウクライナ出身の女性と一緒だった。現在、捜査当局がこの女性から事情を聴いているという。

 ネムツォフ氏と共に活動していた野党指導者のミハイル・カシヤノフ(Mikhail Kasyanov)元首相は射殺現場を訪れ、「ボリス(ネムツォフ氏)がロシアを自由な民主国家にするために何年も闘ってきたことへの報復だ」と語った。(c)AFP