【2月27日 AFP】アジア原産のハーブから抽出された分子「テトランドリン」には、エボラウイルスが人体の細胞に侵入するのを防ぐ働きがあり、感染阻止に役立つ可能性があるとの研究論文が、26日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 テトランドリンは、アジア原産のハーブの一部に含まれるカルシウムチャンネル遮断分子。テトランドリンを用いたエボラウイルスの研究は、まだペトリ皿や実験動物で行われている段階にすぎないというが、これまでに得られた成果は、霊長類での試験とその後に行われる可能性のある人間での臨床試験の正当性を裏づけるものとなっていると論文の執筆者らは述べている。

 米テキサス生物医学研究所(Texas Biomedical Research Institute)などの研究チームは、エボラウイルスが細胞内に入り込むのを阻止するのに最も有効な小分子を見つけることを目指して、高血圧症の治療に用いられている既存の薬剤数種を詳しく調べた。研究チームによると、試験した化合物の中で最も有効性が示されたのは、マウスを感染から守り、明白な副作用もなかったテトランドリンだったという。

 同研究所の免疫ウイルス学部門の科学者で、ユーイング・ハルセル(Ewing Halsell)ファウンデーションのロバート・デービー(Robert Davey)研究員は、「マウスでの試験でこの薬剤はウイルスの複製を阻止し、マウスの大半を感染から救った。エボラウイルスに対して有効なワクチンと治療法の探求に世界中の科学者らが総力を挙げて取り組む中、今回の研究がもたらした探求の前進と加速に対して非常に大きな興奮を覚えている」と述べた。

 世界最大規模の大流行で2013年以降、西アフリカを中心に9000人以上の死者を出しているエボラ出血熱を治療するための市販薬は存在しない。

「われわれは慎重ながらも楽観している。今回の研究過程における次の段階は、人間以外の霊長類で、テトランドリンとエボラウイルスとの相互作用における安全性と有効性の両方を試験することだ」とデービー氏は説明した。

 今回の論文には、米テキサス大学医学部ガルベストン校(University of Texas Medical Branch at Galveston)、独ルートビヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(Ludwig-Maximilians-Universitat München)のミュンヘン統合タンパク質科学研究センター(Center for Integrated Protein Science MunichCIPSM)、米サウスウェスト研究所(Southwest Research Institute)の共同執筆者が名を連ねている。(c)AFP