【2月26日 AFP】中国では近年、おしり洗浄や便座暖房、乾燥などの機能がついた日本の温水洗浄便座が大人気だが、これに苦言を呈する社説が26日、中国国営紙に掲載された。

 中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)の国際版、環球時報(Global Times)は中国語版と英語版双方に「日本製の温水洗浄便座人気は誇張されている」と題した社説を掲載。中国人が日本製の洗浄便座を買うことは、中国の「日本製品ボイコット」に対する当てつけだとし、「国内需要の低迷に直面している時期に、日本の店舗に殺到する中国人観光客は褒められたものではない」と苦言を呈した。

 日中関係は東シナ海(East China Sea)の尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)をめぐってこう着状態が続いている。

 政治面で違いがある両国だが、アジアの2大経済大国はビジネス面では緊密な関係を築いている。春節(旧正月、Lunar New Year)の連休中、およそ50万人の中国人が日本を訪れ、その経済効果は8億8200万ドル(約1050億円)に上ると予測されている。

 環球時報が社説で温水洗浄便座を取り上げた意図は不明だが、日本を訪れた中国人観光客の間で温水洗浄便座は電気炊飯器に次ぐ人気だと報じた国営紙・北京青年報(Beijing Youth Daily)の記事に触発された可能性がある。

 日本では珍しくない温水洗浄便座だが、中国では新富裕層の間でステータスシンボルとなっている。

 環球時報は日本製の洗浄便座の高度な設計や洗練さを認めた上で、「世界クラスの便座を製造することは中国メーカーが目指すものではない」と切り捨てた。(c)AFP