【2月26日 AFP】オランダ北部プルムレンド(Purmerend)では最近、ワシミミズクに襲われてけがをする住民が続出している──。市当局はこの事態を受け、夜間の外出時に傘を持ち歩くよう助言した。

 普段は平穏なこの町だが、ここ数週間、音を立てずに滑空するワシミミズクの襲撃に遭い、住民ら数十人が医療機関を受診したという。24日夜にも、地元の陸上クラブのメンバー2人がワシミミズクに襲われ、そのうちの1人は頭を6針縫う大けがをした。

 地元の養護施設の広報担当者がAFPに語ったところによると、同施設では少なくとも15件の被害報告があり、入所者や従業員らは恐怖に怯えているという。

 プルムレンド市当局は対策を模索しているが、ワシミミズクは保護の対象となっており、捕獲するには特別な許可が必要となっている。

 オランダのフクロウの専門家は、このワシミミズクの行動について、普通ではないと語る。「おりの中で飼育された個体は、人間と食べ物を関連付けている。その理由から、野に放たれた個体の行動は、実際の『攻撃』と異なる。ただ、繁殖期に体内のホルモン値が上昇し、縄張り意識が高まるなど、行動に影響が出るかもしれない」と述べ、このワシミミズクが雌である可能性があることを指摘した。

 ワシミミズクは、世界最大のフクロウ科の一種で、翼開張1メートル80センチ、体重3キロに達する個体もある。(c)AFP