【2月26日 AFP】国際宇宙ステーション(International Space StationISS)で25日、6時間余りの船外活動を終えた米国人宇宙飛行士が、着用していたヘルメット内部に水が溜っていたことを発見した。これにより、米航空宇宙局(NASA)の宇宙服の安全性に対する懸念が再び高まっている。

 水漏れが起きた宇宙服を着用していたテリー・バーツ(Terry Virts)飛行士にけがなどはなく、NASAは今回の水漏れについて、2013年に起きイタリア人宇宙飛行士が溺れかけた同様の問題と比べて「軽微」なものだと説明している。

 だがNASAによると、今回の水漏れを受け、ミッション責任者らは27日、来月1日の船外活動を予定通り行うかどうかを話し合う会議を開く予定だ。

 バーツ飛行士は今回の船外活動で、数時間かけてロボットアームのラッチ機構を円滑にする作業や、民間宇宙船の到着に向けた他の飛行士の準備作業の補助を行っていた。だが宇宙服内の水の存在に気付いたのは、6時間43分の船外活動を終えた後だった。

 クエスト(Quest)・エアロックに戻ったバーツ飛行士は、後頭部に湿気を感じ、ヘルメットの前側近くに水たまりを見つけた。

 欧州宇宙機関(European Space Agency)のイタリア人宇宙飛行士サマンサ・クリストフォレッティ(Samantha Cristoforetti)氏は、ヒューストン(Houston)の飛行管制センターに対し、バーツ飛行士のヘルメット内部の水は「ヘルメットの前側の目線の上にたまっているようだった」と報告。水たまりは「直径約3インチ(約7.6センチ)」で、水の量はバーツ飛行士が初めて気づいた後も増えていたと語った。

 またバーツ飛行士は管制センターに、水はヘルメットに備え付けの飲料用バッグからのものではなく、薬品の味がしたと語った。分析のために注射器で計11ミリリットルの水が採取された。(c)AFP/Kerry SHERIDAN