【2月19日 AFP】ドイツで、たばこの煙と灰皿にたまった吸殻から漂う臭いを理由にアパートの所有者から退去を求められていた76歳の男性に対し、裁判所は18日、当面の間はアパートに住み続けて構わないとの判断を下した。

 この男性は西部デュッセルドルフ(Duesseldorf)の年金生活者、フリードヘルム・アドルフス(Friedhelm Adolfs)さん。アドルフスさんは40年以上も同じアパートに住み続けてきたが2年前、アパートの大家が換気も灰皿の処理も不十分だと主張し、アドルフスさんを重大な賃貸契約違反で訴えた。

 昨年6月、下級裁判所はアドルフスさんとの賃貸契約を解除した大家側の訴えを認めていた。

 だが南西部カールスルーエ(Karlsruhe)の連邦裁判所は、現場検証や証人尋問、たばこの煙害レベル測定も行っていないなど一審の審理には欠陥がみられ示談による解決が望ましいとして、一審判決を差し戻した。

 毎日、たばこを平均15本吸うというアドルフスさんは以前、独ニュースチャンネルN24に「もう60年もたばこを吸ってきたんだ。なんで今さら止めなきゃいけないんだ?」と述べ、「他には何を止めさせようとするのかね?肉を食べるなとでも言い出しかねないよ」と皮肉まじりに語っていた。(c)AFP