【2月17日 AFP】(一部更新)デンマークの首都コペンハーゲン(Copenhagen)で16日夜、先週末に発生した連続銃撃事件の犠牲者を追悼する集会が開かれ、警察発表で約3万人が参加した。

 事件は、世界で最も平和な国の一つであるデンマークを震撼(しんかん)させた。市民らは、第1の襲撃現場となった文化センターそばの広場に集まり、多くの人々がたいまつをともし、寒い冬の夜に光の海が広がった。

 事件では、14日に言論の自由に関する討論会が行われていた文化センターを男が銃撃し、55歳の映画製作者が死亡。また同じ男がシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)を襲撃し、37歳の男性が死亡した。

 わずか1か月ほど前には、フランス・パリ(Paris)でも類似事件が発生したばかり。欧州内のユダヤ人を標的とした過激派による攻撃が相次いでいることを受けて、各国政府は国内のユダヤ人コミュニティーに広がる不安を払拭しようと動いている。

 コペンハーゲンの追悼集会に出席したヘレ・トーニングシュミット(Helle Thorning-Schmidt)首相は、「デンマークのユダヤ人全てに伝えたい。あなた方は孤独ではない。デンマークのユダヤ人に対する攻撃は、国家全体、国民全員に対する攻撃だ」と述べた。

 一方で首相は、イスラム教徒に対する憎悪が広がることに対しても警告を発した。同首相は「これはわれわれの社会と暴力的な過激派との本質的価値観をめぐる衝突」であると指摘し、「イスラムと欧米との衝突ではない。イスラム教徒と非イスラム教徒との衝突でもない」と強調した。(c)AFP/Sören BILLING, Peter HARMSEN