【2月16日 AFP】(一部更新)イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は15日、リビアで拘束したエジプトのキリスト教の一派であるコプト教の信者21人を斬首する場面を写したとする映像を、インターネット上で公開した。

 映像では、浜辺で黒装束の男らがオレンジ色の服を着て手錠をかけられた人質21人を斬首する場面が写っている。撮影場所は、リビアのトリポリ(Tripoli)県内とされている。

 ネット上の機関誌ダビク(Dabiq)最新号でイスラム国は、リビアでエジプト人21人を人質に取っていると述べていた。コプト正教会は声明で、斬首されたのはエジプト人コプト教徒であることを確認したと発表し、犯人らには裁きが下ると「確信している」と述べた。

 エジプトのアブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は映像公開を受け、「殺人者たちにふさわしい罰を与える」と言明。治安担当閣僚・長官を招集するとともに7日間の国喪を発表。また、カイロ(Cairo)にあるイスラム教スンニ派(Sunni)の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)は「野蛮な殺人」を強く非難した。

 この映像は「血で署名された十字架の民へのメッセージ」と題され、最初の数秒間にスクロール表示される文章は、人質を「十字架の民、敵のエジプト教会の信者」と紹介している。

 イスラム国のリビア支部は先月、21人のキリスト教徒を拉致したと主張していた。エジプト外務省の報道官は当時、首都カイロでAFPの取材に対し、リビアで起きた2件の事件で計20人のエジプト人が拉致されたことを認めていたが、被害者が拉致された場所や被害者の宗教については明らかにしていなかった。