【2月12日 AFP】肥満の遺伝的要因に関する新たな手掛かりが、過去最大規模のDNAの調査で数多く確認された。研究論文が11日、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。研究では、肥満の複雑なプロセスに関わる遺伝子変異のうち、これまでに確認されていなかった100種類以上が見つかったという。

 国際研究チーム「Genetic Investigation of Anthropometric Traits (GIANT)」は、50万人を対象としたゲノムと体脂肪率の比較を行い、その関係性を探った。

 この調査では「ウエスト/ヒップ比」と呼ばれる肥満の診断基準に関連する49種の遺伝子変異が見つかり、うち33種は、これまで確認されたことのないものだった。

 また同誌に掲載の別の研究論文によると、ゲノム上の97領域が肥満に何らかの影響を与えていることが判明。このうちの56領域については、これまで明らかになっていなかった。

 これら領域の多くは、脳の伝達機能や食欲の調整、エネルギー消費に関わる遺伝子の中で発見されたという。

 世界保健機関(World Health OrganisationWHO)によると、世界の肥満人口は、1980年~2008年の間に約2倍に増加したという。

 また、過体重や肥満が原因で死亡する成人は毎年280万人を超えており、5歳未満の幼児約4200万人が肥満と考えられている。(c)AFP