【2月12日 AFP】欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)は11日、大気圏への再突入技術を試す無人実験機「IXVIntermediate eXperimental Vehicle)」を打ち上げ、帰還させることに成功したと発表した。

 翼を持たないくさび形の機体を持ったIXVは、100分間に及んだ今回のミッションで、サブオービタル(準軌道)飛行を実施した。軽量ロケット「ベガ(VEGA)」によりフランス領ギアナのESA基地から打ち上げられ、切り離された後に高度40万メートル以上まで上昇。東に向かった後に、極超音速のスピードで地球へ下降し、パラシュートで速度を落としてガラパゴス諸島(Galapagos Islands)の西約3000キロの海上に着水した。

 ジャンジャック・ドルダン(Jean-Jacques Dordain)ESA長官はインターネット中継で「ミッションは計画通り終了した。これ以上にない最高の出来だ」と述べた。

 今回のミッションは、打ち上げた宇宙船を無事に帰還させる技術において、欧州が米露中の3か国に追いつくための第一歩となった。IXVは、欧州の宇宙開発能力におけるギャップを埋めることを目指している。ESAはこれまで、地球観測衛星や、火星などの惑星や彗星を探査する無人ミッションで成功を収めてきたが、太陽系内に打ち上げた機体を地球に帰還させることはできなかった。(c)AFP/Richard INGHAM