【2月6日 AFP】「結婚指輪にブラスバンド、それから大型で攻撃的なサルたちの準備もよし」。インド北部アグラ(Agra)では、完璧な結婚式を望む心配性の花嫁たちが、挙式中にうるさいサルたちを遠ざけておくために大型のサルと調教師を雇うケースが増加している。

 当局者が3日に明らかにしたところによると、屋外で行われる結婚式では、式場に乱入し大損害をもたらすことがあるアカゲザルを追い払うため、天敵といわれているグレーラングール(別名:ハヌマンラングール)の利用が増えているという。

 AFPの電話取材に応じたアグラ当局者は、「ラングールの調教師は、冬の結婚式シーズンに多くの需要がある」、「事前予約の場合の料金はたいてい3000ルピー(約5700円)ほどだが、サルが式場に侵入した場合などの緊急事態では、料金は1万ルピー(約1万9000円)に値上がりすることもある」と語った。

 ヒンズー教徒が多いインドでは、サルは崇拝の対象となっているが、一方で、民家やオフィスをあらしたり食べ物を狙って人を襲ったりすることから、多くの都市で大きな問題となっている。

 大勢の観光客が訪れるタージ・マハル(Taj Mahal)があるアグラでは近年、サルの個体数が増加している。信仰心のあついヒンズー教徒らが、吉祥をもたらすとしてサルに餌を与えることが、その要因の一つと考えられている。(c)AFP