【2月5日 AFP】台湾・台北(Taipei)市郊外で4日、乗客乗員58人を乗せた復興(トランスアジア)航空(TransAsia Airways)の旅客機が川に墜落した事故で、これまでに少なくとも25人の死亡が確認された。

 捜索活動は同日夜も続けられ、クレーンが機体後部と中央部を引き揚げ、中から1人の遺体が収容された。水中にある機体前方部分には、まだ17人が閉じ込められているとみられている。復興空港によると、これまでに救出された生存者は16人。

 当局によると、寒さと視界の悪さ、水位上昇のため捜索活動は難航しており、さらなる生存者の発見については「楽観視していない」という。

 墜落の瞬間を捉えた映像には、同機が機体を傾けながら基隆川(Keelung River)に向かって降下し、高架道路に接触し、路上に損傷したタクシーと残骸を残して画面から消える様子が写されている。目撃者の一人はTVBSテレビに対し、「おそらく自分の数メートル先にいたタクシーが、飛行機の翼にぶつけられたのを見た。飛行機は巨大で、すごく近くに迫っていた。まだ震えが止まらない」と語った。

 地元テレビは、同機の乗員が管制官と最後に交わした通信とみられる音声を放送。その中で乗員らは、必死に「メーデー!メーデー!エンジンフレームアウト!」と叫んでいた。航空当局は操縦室の録音は公開していないと述べていることから、この音声は一般の人が無線を傍受したものである可能性がある。

 香港(Hong Kong)の航空コンサルタント会社アスパイア・アビエーション(Aspire Aviation)のダニエル・ツァン(Daniel Tsang)氏によると、「エンジンフレームアウト」とは「飛行中のエンジン停止」を意味し、「エンジンが推力を生み出すのを停止し、燃焼プロセスに異常が生じ、航空機が前方に進めなくなる状態」という。(c)AFP/Benjamin YEH