【2月4日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領と保健当局は、同国内ではしかの流行が続いていることを受け、国民に対し子どもにワクチンを接種させるよう訴えている。流行の一因は、はしかが命に関わる病であるにもかかわらず、ワクチンが子どもにとって危険だと考える親がいることだとされている。

 2000年に根絶されたとされていたはしかは、昨年12月にカリフォルニア(California)州のテーマパーク「ディズニーランド(Disneyland)」周辺で感染者が再び確認され、それ以降、感染例が増え続けている。

 米疾病対策センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)によると昨年12月以降、全米の14州で102人の感染が報告されている。はしかは感染力が強く、空気感染する。感染すると発疹や発熱を伴い、重症化すると肺炎や脳腫脹を引き起こすこともある。

 米国内では昨年、2000年以来最多となる644人の感染が確認された。2013年の感染者数は173人だった。

 はしかがが再び流行している背景には、子どものワクチン接種を拒否する親の増加がある。ワクチン接種を受けさせない親たちの多くは、はしかとおたふく風邪、風疹を予防する新三種混合(MMR)ワクチンと自閉症の子どもの増加に関連性があると懸念している。しかし、このワクチンについては、これまでに多くの研究が自閉症との関連性を否定している。

 このほか、宗教や政治的な理由で子どもにワクチンを接種させない人たちもいる。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI