【2月4日 AFP】フランスの反人種差別団体「SOSラシスム(SOS Racisme)」は3日、インターネット上に「できればユダヤ人以外の」グラフィックデザイナーを募集する求人広告が掲載されたことを受け、人種差別の疑いがあるとして告発状を提出した。

 この求人はグラフィックデザイン会社NSLスタジオ(NSL Studio)が専門ウェブサイト「www.graphic-jobs.com」に2日に掲載したもの。後に同サイト運営者により削除されたが、ネット上では広告に対する怒りの声が巻き起こった。

 同社は後に自らのウェブサイトで、「わが社は差別を行わない健全な組織だ」と述べ、「反ユダヤ的な」求人広告から距離を置く立場を表明。「広告の責任者に事情を聞き、調査を実施して、実際に同社から出たものであった場合には、必要な措置を取る」と述べている。同社はこれより先にツイッター(Twitter)の自社アカウントで、この求人広告はハッキングされたものだと発表していた。

 SOSラシスムのスポークスウーマンはAFPの取材に対し、「これは、属している、または属しているとみられる人種、民族グループ、宗教を理由に、公然と人を差別する明白な事例」と語った。同団体が提出した告発状は特定の人物または団体を対象としたものではなく、責任の所在は今後の調査で断定される見込み。(c)AFP