【2月4日 AFP】高速ランニングなどの激しい運動を長期にわたって行うと健康に害を及ぼす可能性があるとした研究論文が、2日の米国心臓病学会誌「Journal of the American College of Cardiology」に掲載された。

 デンマーク・フレデリクスベア病院(Frederiksberg Hospital)などの研究チームが発表した、12年間に及ぶ健康調査を基にした論文によると、ジョギングを全くしない人の死亡率は、激しいジョギングを頻繁に行う人の死亡率と同程度であることが分かったという。一方で、週に1時間~2.4時間ほどの軽いジョギングをしている人は、突然死の死亡率が最も低かった。

 これらの結果は、デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)で実施された長期健康調査「Copenhagen City Heart Study」に参加した、ジョギングをしている健常者1098人とジョギングをせず座りがちな生活をしている健常者413人のデータに基づくものだ。ジョギングをする時間や頻度、個人が認識している走りのペースなどの記録が参照された。

 論文によると、ジョギングの最適頻度は週に3回程度で、ゆっくりから適度のペースで走る人の死亡率は、速く走る人に比べて著しく低かった。

 フレデリクスベア病院でコペンハーゲン市心臓研究を担当する研究者のピーター・シュノハー(Peter Schnohr)氏は「ゆっくりしたペースのジョギングは『激しい運動』に相当し、激しいジョギングは『非常に激しい運動』に相当するということを強調することが重要だ」と話す。

「(非常に激しい運動を)数十年にわたって続けた場合、この活動レベルは健康リスクを、特に循環器系に対して及ぼす恐れがある」

 これまでの研究でも、軽度および適度の運動と長寿との間に相関関係があり、激しい運動が死亡リスクの上昇に関連していることが示されていた。

 シュノハー氏は「死亡リスクを減少させ、寿命を延ばすことが目標なら、ジョギングを週に数回、適度のペースで行うことは素晴らしい考えだ」と述べ、「何であれ過剰なものは、不必要なだけでなく、害になる可能性もある」と続けた。(c)AFP