【2月2日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」がジャーナリストの後藤健二(Kenji Goto)さん(47)を殺害したと明らかにしたことについて、世界各国の首脳が1日、相次いで怒りを表明した。

 イスラム国は後藤さんを殺害したとする動画をインターネット上に公開した。先月下旬には同じく人質となっていた湯川遥菜(Haruna Yukawa)さんが殺害されたとみられる画像が公開されている。一方、イスラム国は後藤さんとともに殺害するとしていたヨルダン人パイロットには触れていない。

 後藤さんが殺害されたとみられることについて、安倍晋三(Shinzo Abe)首相は1日、「非道、卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える」と述べ、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるため国際社会と連携していく」と強調した。

 ヨルダンのアブドラ・ビン・フセイン国王(King Abdullah II)は後藤さん殺害を「卑劣な犯罪行為」と断じるとともに、昨年12月に搭乗していたF16戦闘機がシリアで墜落しイスラム国に拘束されたパイロットのモアズ・カサスベ(Maaz al-Kassasbeh)さんの解放に向けてあらゆる努力を払っているところだと述べた。

 潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長の報道官は、「野蛮な殺人は…イラクとシリアであまりにも多くの人が体験した暴力を浮き彫りにしている」と述べた。このほかドイツ、フランス、英国、欧州連合(EU)も後藤さん殺害を非難した。

 平和主義を掲げる日本は長期間にわたり中東の紛争の影響を免れ、宗教過激派に狙われることもほとんどなかっただけに、後藤さんの事件は日本で大きな衝撃をもって受け止められている。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA