【2月2日 AFP】非合法化されたイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」を支援したとしてエジプトで400日以上にわたって拘束されていた3人のジャーナリストのうち、オーストラリア人のピーター・グレステ(Peter Greste)氏が1日釈放され、国外退去処分を受けた。

 内務省と空港の関係者がAFPに明らかにしたところによると、カタールを拠点とする中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)の記者グレステ氏はカイロ(Cairo)のトラ刑務所(Tora Prison)から釈放され、その後間もなくキプロスのラルナカ(Larnaca)行きの航空機で出国した。ラルナカの空港関係者は、グレステ氏が兄弟のマイケルさんに付き添われてエジプト航空(EgyptAir)機で到着したと確認した。

 グレステ氏は、アルジャジーラのカイロ支局長でカナダ系エジプト人のモハメド・ファデル・ファフミ(Mohamed Fadel Fahmy)氏、プロデューサーでエジプト人のバヘル・モハメド(Baher Mohamed)氏と共に2013年12月に身柄を拘束され、2014年6月に禁錮刑を言い渡されていた。

 アルジャジーラはエジプト政府の決定を歓迎し、残る2人の記者の早期釈放を希望すると表明した。アルジャジーラ・メディア・ネットワーク(Al-Jazeera Media Network)のムスタファ・スアグ(Mostefa Souag)報道局長代理は「ピーターと家族が再会することになってわれわれは喜んでいる」などとする声明を発表した。

 アルジャジーラの3記者の逮捕を受けて世界的な抗議の声が上がっていた。米国政府と国連(UN)が釈放要求の先頭に立っている。(c)AFP/Samer al-Atrush