【2月2日 AFP】航空機が墜落した際の捜索活動を容易にするため、1分ごとに信号を自動発信する装置の設置が近く世界の全民間航空機に義務付けられる見通しだ。

 この新たな航空機追跡規則は、昨年3月に乗客乗員239人を乗せたマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便が失踪し、1年近くが経過した今も発見されていない航空史上最大の謎の1つとなった事件を受けて検討されているもの。

 国連(UN)の専門機関「国際民間航空機関(International Civil Aviation OrganizationICAO)」によると、航空各社で作る作業部会が年内の段階的な導入を目指して策定しており、2日~5日にカナダ・モントリオール(Montreal)で開催されるICAO会合で構想が発表される。批准に向けた「最終提案」を半年以内にICAO理事会に提出する計画で、関係筋によれば既に加盟191か国全ての支持を得て、導入は事実上確定しているという。

 現行のシステムでは、飛行中の民間航空機をレーダーで追跡しているが、海上や低い高度を飛行中の場合は追跡が不可能となる。新システムでは、15分ごとに機体の位置を確認し、針路変更や飛行経路からの逸脱など異変が検知された場合には信号の発信間隔を1分ごとに狭める。

 航空各社には、緊急時の当局へのデータ提供が義務付けられる。(c)AFP/DanMarc BRAIBANT