【2月1日 AFP】ガス気球による太平洋横断に挑戦していた米国人トロイ・ブラッドリー(Troy Bradley)さん(50)とロシア人レオニード・チュクチャエフ(Leonid Tiukhtyaev)さん(58)が1月31日、メキシコ沖に無事着水し、飛行距離と滞空時間の世界記録更新を目指した冒険を終えた。関係団体が明らかにした。

 ブラッドリーさんとチュクチャエフさんは風向きの変化を踏まえ、陸上より海上に落下する方が賢明と判断し、メキシコ北部バハカリフォルニア(Baja California)州ラポサグランデ(La Poza Grande)近郊の沿岸から約6.4キロ沖に慎重に着水した。関係団体によると、最終的な飛行距離は1万696キロ、滞空時間は160時間37分と、従来の世界記録(約8467キロ、137時間5分50秒)を超えたという。団体は「着水は世界記録の認定を管理する国際ルールで容認されている」と述べ、海上着水で認定された世界記録がこれまでに2件あると指摘した。

 2人の気球「トゥー・イーグルズ(Two Eagles)」は、10日間滞空可能な1万立方メートルのヘリウムガスを充填した上で1月25日に佐賀市を離陸し、東京上空を経由して太平洋横断に乗り出した。当初はカナダと米国の国境付近に着陸する予定だったものの、米西海岸沖に張り出していた高気圧を避けるため、メキシコのバハカリフォルニア州に南下していた。

 ガス気球による太平洋横断は1981年以来。従来の飛行距離の記録は、同年に三重県長島町から米カリフォルニア(California)州北西部までの間で「ダブル・イーグルV(Double Eagle V)」が達成した。(c)AFP