【1月31日 AFP】米中央軍(US Central Command)は30日、同国主導の有志国連合による空爆で、イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」のメンバーで、イラクのサダム・フセイン(Saddam Hussein)政権で働いたこともある化学兵器専門家が死亡したと発表した。

 米中央軍の声明によると、今月24日にイラクのモスル(Mosul)近郊で行われた空爆で、イスラム国に化学兵器関連の知識を与えていたアブ・マリク(Abu Malik)容疑者が死亡したという。

 米中央軍によると、同容疑者はサダム・フセイン政権時代に化学兵器製造工場で働いた経験があり、2005年にイラク聖戦アルカイダ組織(Al-Qaeda in Iraq)と関わるようになり、その後イスラム国に加わった。

 米中央軍は「同容疑者の死により、イスラム国が化学兵器を製造して罪のない人々に対して使用する能力が一時的に低下し、妨害された」と述べている。

 現在のところ、イスラム国が大量の化学兵器を保有している兆候はないが、神経ガスよりも殺傷能力が劣る塩素ガスを使って攻撃を行った疑いも指摘されている。

 米国主導の有志国連合は2014年8月8日から、シリアとイラクでイスラム国に対する空爆を2000回以上実施しており、その中にはイスラム国幹部を狙ったものもあった。(c)AFP