【1月31日 AFP】パキスタン南部のシンド(Sindh)州シカルプル(Shikarpur)にあるイスラム教シーア派(Siite)のモスクで30日爆発があり、同州の保健相によるとこれまでに61人の死亡が確認された。

 シカルプルは州都カラチ(Karachi)から約470キロメートル北に位置する。事件当時モスクには金曜礼拝のため多くの人が集まっていた。

 パキスタンのシーア派団体の職員によると、爆発があったモスクでは事件当時約400人の信徒が礼拝していた。現地の警察署長は、爆破が自爆攻撃によるものか、それとも6~7キログラムの爆弾を遠隔操作で爆破させたものか捜査中だと話した。

 1.5キロメートルほど離れた別のモスクで礼拝していたという男性はAFPの取材に対し、「足の下で地面が揺れたのを感じた」と話した。

 パキスタンで起きた宗派対立による単一の攻撃としては、2013年3月にカラチのシーア派地区で自動車爆弾が爆発し45人が死亡した事件以降で最悪の惨事となった。

 イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」から分かれたイスラム急進主義組織「ジャンドゥラー(Jandullah)」の報道官は「シカルプルの爆破事件の犯行を喜んで認める」とAFPに語り、犯行に関与したことを認めた。

 パキスタンでは近年、イスラム教の宗派対立抗争が激化しており、その多くはスンニ派(Sunni)強硬派が同国全人口の約5分の1を占める少数派のシーア派を攻撃するものだ。(c)AFP/Fida Hussain