【2月5日 AFP】非営利団体ナショナル・シーク・キャンペーン(National Sikh Campaign)が1月末に公表した調査結果によると、2001年の米同時多発テロから10年以上が経過したにもかかわらず、いまだに米国人はターバンを巻いたシーク(Sikh)教徒をイスラム教徒と間違える傾向があるという。

 米国人を対象に実施したこの調査では、回答者の60%がシーク教徒について何も知らないと答えた。

 赤いターバンを巻いて微笑む年配のシーク教徒男性の写真を見せると、回答者の28%が中東の人、20%はイスラム教徒と答えた。35%はインド出身もしくはインド系と答えた。シーク教徒と正答できたのはわずか11%に過ぎなかった。

 膝まで髪を伸ばしたおしゃれな若い女性(性別にかかわらずシーク教は髪を切ることを推奨しない)の写真を見せると、回答者の20%が中東の人と答えた。シーク教徒と正答できた回答者は皆無だった。

 ナショナル・シーク・キャンペーンの共同設立者兼シニアアドバイザーのラジャント・シン(Rajwant Singh)さんは、「私たちは米国社会の一員として生活してきたが、いまだに認知されていないばかりか、正しく理解してもらえないことが多々ある」と語った。

「率直に言って、ターゲットにされるのにはうんざりしており、理解してもらいたい」

 英国植民地時代のインドから、初めてシーク教徒が米国に移民してから1世紀が過ぎた。今日では、20~50万人のシーク教徒が米国で暮らしている。数値に幅があるのは、米国勢調査局(US Census Bureau)が信仰している宗教についてのデータを取っていないためだ。

 2001年の米同時多発テロの直後、イスラム教徒と勘違いされたシーク教徒は一部の米国人の攻撃のターゲットとなり、死者も出る事態となった。兄弟を2人亡くしたアリゾナ(Arizona)州のビジネスマン、ラナ・シン・ソディ(Rana Singh Sodhi)さんは「いまだに全く知られていないように感じる」と語った。(c)AFP/Robert MACPHERSON