【1月30日 AFP】エジプト北部・北シナイ(North Sinai)県で29日、武装集団がロケット弾や自動車爆弾を使い軍事基地や警察署などを襲撃し、兵士ら少なくとも26人が死亡した。イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に忠誠を誓う過激派組織「エルサレムの支援者(アンサル・ベイト・アルマクディス、Ansar Beit al-Maqdis)」がツイッター(Twitter)上で犯行声明を出した。

 軍や治安当局の発表によると、襲撃事件は同県の県都アリシュ(El-Arish)を中心に発生。軍基地や、その近くの警察署、軍・警察関係者が居住する集合住宅、軍の検問所が標的となり、ほぼ同時に起きたロケット弾や車爆弾による攻撃により、兵士を中心とした25人が死亡した。軍は発表を行った時点で、現場周辺で武装勢力との銃撃戦が続いていると明らかにした。

 また、パレスチナ自治区のガザ地区(Gaza Strip)との境界線沿いにあるラファ(Rafah)でも軍検問所がロケット弾による攻撃を受け、兵士1人が死亡した。当局によると、29日の一連の襲撃の負傷者は少なくとも62人に上った。

 シナイ半島(Sinai Peninsula)では、2013年7月にイスラム組織出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領が当時のエジプト軍トップで現大統領のアブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)氏によって解任されて以降、イスラム過激派組織による治安部隊への攻撃が相次いでいる。(c)AFP