【1月30日 AFP】世界有数のコミックフェスティバル「アングレーム国際漫画祭」が29日、フランス南西部アングレム(Angouleme)で開幕し、 熱狂的なファンを持つ漫画作品「AKIRA」の原作者として知られる大友克洋(Katsuhiro Otomo)さんが最高賞を受賞した。

 長年にわたる功績をたたえるこの賞が日本の漫画家に贈られるのは、今回が初めて。昨年の受賞者は、「カルビンとホッブス(Calvin and Hobbes)」の原作者、ビル・ワターソン(Bill Watterson)さんだった。

「AKIRA」は、第3次世界大戦によって荒廃した近未来の東京を舞台にした漫画で、世界的にも有名。

 フランスでは日本の漫画が、コミック全体の売り上げの4分の1を占める。今回の大友さんの受賞によって、同国における漫画の立ち位置が改めて浮き彫りとなった。

 イベント会場周辺には、パリ(Paris)で7日に発生した風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社襲撃事件を受けて厳重な警備が敷かれた。

 今年のフェスティバルでは、この事件で殺害された作家らを追悼する「Charlie Award for Freedom of Expression(表現の自由のためのシャルリー賞)」の新設があった。

 初回の受賞者は、襲撃事件で殺害されたシャルリー・エブドの作家らとなる予定だが、次回からは表現の自由のために闘う世界中の作家が候補の対象になるという。

 コミックブックはフランス国内で非常に人気があり、昨年の販売数は3500万冊を数えた。(c)AFP/Laurence BENHAMOU