【1月30日 AFP】マレーシア当局は29日、昨年3月に消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370 便の乗客乗員239人について、全員死亡したとみられると正式に発表した。同時に、これによって親族らに対する補償給付への道が開かれると説明したが、憔悴(しょうすい)した親族らは怒りを隠さず、この発表の受け入れを拒否した。

 親族らの多くは、不明機がどこか安全な場所に着陸しているかもしれないと訴え続けてきた。そのため当局とマレーシア航空もこれまで、この不明機と乗客乗員がたどった運命について最終的な結論を出すことを差し控えてきた。

 しかしマレーシア当局は、同機は「事故」に見舞われたと正式に宣言し、同機が昨年3月8日に姿を消した後に墜落して搭乗者は全員死亡したという推定を正式に発表した。

 アザルディン・アブドル・ラーマン(Azharuddin Abdul Rahman)民間航空局長は親族らに対し、「普通の生活を取り戻せるよう努めてもらうことが大事だ」という考えを示した。続いてマレーシア航空も、親族らが「公正で妥当な」補償手続きを進めていけるよう、親族らへの連絡を開始するという方針を明らかにした。

 しかし親族らの一部は、この発表をはねつけた。同機にパートナーが搭乗していたという女性は、政府とマレーシア航空が「うそをついていると思う」として、「確かに同機が墜落した可能性はある。でも証拠がない。証拠が見つかるまでは信じられない。確証を得られるまでは結論など出せないはずだ」と憤った。

 多くの親族らは、同機が消息を絶つ前に針路変更を行った時点で当局とマレーシア航空の対応に混乱と不手際があり、その後隠蔽(いんぺい)工作を図ったと非難し続けてきた。対する当局側はこれを激しく否定している。(c)AFP/Dan Martin