【1月29日 AFP】絶滅寸前のキタシロサイを救う方策について話し合うため、ケニアで27日、自然保護活動家や研究者による会議が行われた。

 現在生き残っているキタシロサイは世界でわずか5頭──そのうち3頭がケニア中部のオルペジェタ自然保護区(Ol Pejeta Conservancy)の700エーカーの敷地内にいる。他の2頭はチェコと米国に1頭ずつだ。

 27日に会議が行われたオルペジェタ自然保護区の最高責任者、リチャード・ビーン(Richard Vigne)氏はAFPの取材に「課題は、われわれに残された短い時間の中で科学的に実行可能なものに取り組むことだ」と語った。

 キタシロサイは、中央アフリカ、チャド、コンゴ民主共和国の北東部、南スーダンなどにかつて生息していた。だが、長年の慢性的な衝突や無法状態により、これらの国々のキタシロサイの生息地は失われた。国際環境保護団体フォーナ・フローラ・インターナショナル(Fauna and Flora InternationalFFI)のアフリカ責任者、ロブ・ブレット(Rob Brett)氏は、これらの情勢不安定な地域では「保護活動が不可能な場合がある」と語る。

 密猟も大きな被害をもたらした。キタシロサイの角は伝統的に儀式用短剣の柄の材料として重宝され、最近ではアジアで治療薬としても使われてきた。

 サイの角は1キロ6万5000ドル(約770万円)以上で闇市場で売買されているが、これは金価格やコカインの卸値よりも高い。