【1月29日 AFP】中国の全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代、国会に相当)の代表(議員)が、北京(Beijing)にある庭付きの自宅に地下5階の地下室を造ろうと地面を掘ったところ、近隣住宅を巻き添えにする地面の陥没を起こした。中国紙が29日、報じた。議員の行方は分かっておらず、当局は行方を追っている。

 国営の英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は社説で、李宝俊(Li Baojun)議員による「法のひどい軽視」を強く非難した。

 陥没が起きたのは前週末、歴史的建造物の多い北京の西城(Xicheng)区で、地下室の建造が進められていた李氏の自宅と近隣の4軒の住宅が穴に落ちた。さらに周辺の15世帯が被害を受けホームレス状態になったという。けが人はいなかった。

 インターネットや中国の国営メディアの画像には、防水シートなどに囲まれ閉鎖された、道路まで延びる深さ10メートルの穴が写っていた。

 李氏は中国東部、江蘇(Jiangsu)省徐州(Xuzhou)の全人代代表で、自動車部品工場の経営者。チャイナ・デーリーによると、当局は同氏の行方をつかめずにいるという。

 同紙は、穴を埋めるには約1400立方メートル分のコンクリートが必要だと述べている。(c)AFP